それらしきもの

光と影

夜空に浮かび上がる星空と月を見上げ思うのは いつも照らされているけれど 影を作り出しているのは 私の身体で 光に焦がれた思いは 罪深く 見失わないまま進められるなら 迷わず思いを持ち 向かい合うことが出来ただろうか 星屑の空光だらけの世界は 暗闇を…

「愛している」が存在しない世界で

不確かな思いばかりが 渦巻く中で 確かな言葉に拠り所を求めて 見つけは消して 消しては見つけを 繰り返しているよ 強い想いは 消えない夜を 積み重ねたものだから 崩れるときもあるけど また 一人 積み上げてくよ 人の身体が存在しない世界が もしも あれば…

夏霞

夏が騒ぎ出した それに掻き立てられるように 疼き出して 止まらなくなるのは 随分と久方ぶりのご無沙汰ぶりで ゴキゲンなままでいようぜ 汗が滴って 濡れて すぐに乾いてしまう 蜃気楼を伴う 4号線沿いで 何を求め続けただろう 暑さに五月蝿さを相俟って 疲…

違う

さぁ話を続けて そう言ったのは誰だろう それでも言葉は上手く出てこないや 喉元「これは違う」と押し込め そうやって無言のままで 「今日はもう疲れたから ここまででいいでしょ」 やっと言葉にした免罪符 罪悪感に変わるのは……いつだろう 私はもう動かなく…

死にながら生きていく私たち

喉に突き立てたままのナイフ "何が言いたいの?"と苦しめ続け 次第に出なくなる声と浅い呼吸 いっそのことそのまま引き裂けたならと 嗚咽でさえ吐き出せないようなぎりぎりの距離 自分自身を傷つけて徐々に削る命と 死にながらに耐えた生を 誰が讃えられるで…

影送り

君の指先から溢れ出るピアノの音 貴方の軽やかな舞のような 生まれるリズム 光が降り注ぐ窓辺からの景色 手持無沙汰の私は ただなんとなく ねぇ なんとなく歌ってみた 何にもできないと思っていた私に 貴方は優しく仕上げの色がついたようだといってくれた …

ブルーバード

手が届かないもの 精一杯伸ばし続けて 追いかけ続けるもの それにつられて 前と上を見続けた毎日に そそぐ光 憧れていた 飛べる自由 空いっぱいの青と ほそぼそしいくらいの心の青に 咲き続けている花の青 思い返せば ほら 必要なくなった翼も いつの間にか…

エンジェル

気ままに咲いた花のように 言葉を並べて遊んだ だけどコンクリートやアスファルトの上じゃ 上手く咲くどころか種も朽ち果てて このまま風に吹かれて 大事に芽吹ける その場所まで ほら 今 そう どこにも植えつけられない 私の背中にはきっと 翼が生えている…

春霞

くるりと舞う桜の葉と 降り注ぐ朝の木漏れ日に混じり 視界はよく見えない まだ寒い空気を抱きしめて 冬までの思いをマフラーにして この景色の中歩いていこう ふわり浮かんでくる気持ちに 舞い落ちてくる桜の花びら 風が運ぶのは季節の変わり目だけじゃ無く …

螺旋階段

「私が、今ここにいる」ことなんて 忘れてしまうくらいの感覚の中 上り続けている その螺旋階段のような 廻り続ける 日々を追っている いつからか 下を見ればその高さに怖くなって 遠く見晴らせるほどかと思えば 見たくないものに気を取られて いつ終わるか…

クリスマスが降る

何でもない日が 平等に訪れるように 街の華やかさは 目の前に平等に煌めくか 寒くて繋いだのか 離れないように繋いだのか 大切にしたかったからか忘れて 片方の手袋が道端に落ちてた 期待なんか一つもないのに せめてどこか静かで慎ましくあるように 騒がし…

砂時計

この手の中に収まるものを 全て翻して 再び音も立てず 時を刻み始めるは 砂時計 落ちていく間 その時だけをうまくつかめないで 積み重なる過去に 覚えたのはささやかな 焦りと儚さ 降り注ぐ粒にさえ思いを滲ませる せめて思い出が香りと共にあったのなら 過…

ダイビング

いつか私がずっと 感じ続けていけるもの それの空気を吸える間は 命と呼ぶことにしましょう 深い海に落ちたとしても 身体の中に残る酸素が まだ助けてくれる でもその酸素はどこかな? もしもね上手に見つけられたら 大きく息を吸って また深く深く潜れるん…

どろんこオンチ

日々追われるように突き進み ふと 足跡を振り返ってみようと 後ろを見れば ぐちゃぐちゃな 砂の上 + 雨の日が 定常 舗装をされたアスファルト 元から足跡も残らない そんな固い道もあわないでいたけど 確実なものを積み重ね 一つ 一つ 確信を持てたなら 「…

がらんどう

月が歪んだ夜に 彷徨う亡者が求めるものは 何一つもなく 欲深くないことが罪に思え 陽で晒されてしまうことを恐れた 誰がどうと舞い上がる言の葉が そのまま私に降り注いで 罪の重さを感じては 身体が埋もれていく だからお願い世界は ずっと仲良くしててよ …

美しいもの

例えば 夜に羽を広げられる 自由を見つけたとして 迫りくる朝に それとなく 現実を知る それでも 然して 問題などもなく 朝焼けに受け入れて 消えた背中の 夜にまた羽をはやす始末だ 外に出てしまえたのなら 夜はどこまでも深くなどならず 全てを覆う夜で そ…

ゲシュタルト

痛みが続いても 辛くなかった そうであることが 普通になった 知らないうちに 強くなった そう思うことにしていた 正しいことに すがりたくなった 正しいことが 最後にあった 間違うことさえ 正しくなった そんな魔法を求めていた いつも許しが欲しく まだ動…

深淵

昔から私は 小さな祈りを 集めるのが好きで ずっとずっとしまい込んだ 耳を突けば鼓動で 心を刺せば言葉になるそれが 不思議でたまらなかった いくつも叫ばれた痛みや悲しみも そこに眠る想いを呼び起こしてしまえば 二度と知らない前には戻れないくらいの …

蝉時雨

朝照りつける日差しと 降りかかってくる 蝉時雨の音 アスファルトの上 ユラユラする視界の底には足が 踏み出そうか迷い考える葦は 項垂れたら日も暮れて明日 汗が1滴落ちていっては 続く額から流れるものを 腕で拭いとって もう どうにもならないと 思ったの…

果て

どうか私の進む毎日が 彩りのある日々になればいい 夜に落とされ 全ての色を失って それでも歩む意味とは まだ先を上手く描けない それは夜に色を失ったから? どこか遠くで 空の果て 夜の果て この世界の地平線の果てで 見つけられない 見たこともないもの…

Scrap&Build

好きな事を何にも考えずに吐いては 心に素直に生きていれば 楽に生きて生けると思う そんな風にまた考えもなく 吐き出した言葉は いつかあたしの「正解」になって とらわれて蹲ってしまう 過去に脅されながらも逃げて やっとのことでつかんだ明日 それなのに…

Make My Day!

頭の中に張り付いた白昼夢のイメージ ガトリングガン携え 弾は何だ、どこだ?って探している 今 壁画みたいに ぺらぺらに 見える 空気も淀んだ空間を 撃ち抜こうとしているのだけれども 上手いこといく 銀の弾丸は装填されないまま 薬莢の臭いだけして pleas…

ウェステリア・セレナーデ

どうしたら昔の自分を 弔うことが出来るのか 進むことも戻ることも出来ないで 私はどこにも 行けないでいて 彷徨い 立ち尽くす場所で 貴方が 藤の花束を 差し出して 私が 眩暈を覚えた 間に 季節が瞬時に変わるほどの微笑みで 全てを見逃してくれた そんな優…

春の日

日々暮らしていく中で 愛に似たものを かき集めては お座なりに 埋めていくけど 時々震わせる 瞼の奥底の 記憶とは ほど遠い 気持ちの北風 別れの匂いと 始まりの色彩 両目で捉えるのは ただただ美しい春の日 涙で滲んだものは 水晶の中の私のすべてを 包み…

君と僕

君が本当に大切なものを信じられないせいは もしかしたら 僕らの口をついて吐く 「大切なものは目に見えない」 それに気付いてしまった 唐突に答えを見せつけて 正しさを振りかざして 今日も誰か傷つけてきたのか 目に見える全ての事が答えだとして 僕らがそ…

End of The Words

ねぇ、もしも、この心臓の鼓動みたいに 言葉を吐き出せる回数が決まっていたら 君は何を紡ぎ出す? 寒い夜に吐き出された 「もういや、いや、いや、いや、いいや」 白い霧となって空に吸い込まれ雲になった 雲の中で反響し合っては 誰かとの声にぶつかって …

誰がために詩を綴る

昔から気持ちを隠すのが得意で 悪戯した後みたいな笑顔を 貼り付けたまま大きくなって いつかひびが入って割れるんじゃないかって怖くて そのうち見つけた気持ちの表し方 相変わらず隠す癖は抜けなくて それでも思いを託してみるけど 例えばほら君が歌ったメ…

太陽

優しさを置いてくれる夢を見ている 遠い淡い記憶から零れ落ちたその氷晶の 抱きしめていた私の体温は底冷えしていて このまま永久に眠れてしまえそう 今は遠くに貴方の差し出す光 氷晶を通し美しかった 貴方に近づいてしまえば その光の熱量に 氷までも溶か…

変わらないままで変わること

何かが終わりそうなとき思い返すのは 来た道 歩みたどった道 作ってきた道 昔難しいと思っていたことを 今じゃいつの間にか当たり前のようにできていて その当たり前を武器にしそうになったり 色々な季節を迎えて変わってしまった景色も 隣で同じような道で…

星空グラビティ

誰かが言ったんだ 「あの夜空の星たちは 誰かの願いが掛けられたものなんだ」って どこにも行き着かないこの地球は 正直にどうしようもなく公平だった 廻る廻る星の巡るチャンス どこかに近づいたとき 君がそれに手を伸ばすか それだけの違い 流れ流れ星が光…