旋回飛行

世界を見渡すくらいの視野が
僕にあれば 今更
こんなとこで 訳も分からない
恐怖なんかに
足がすくむ事もないのに

小さく詰め込んだ
夢ポケットのチャックは閉まらず
軽いものから徐々に落ちて
そんなことに気づかないように
必死に駆け登るしかないんだ

見えるのかな
どれだけの世界が
動き回り 造り 育み 生きる
それを見れるのは一握りで
見事僕らが線引きされたみたいだ

だから円を描いた等高線
この山の頂から 見える
綺麗な景色を 宝石箱にして集めたい
普段の景色じゃ見当たらない
あの雲を突き抜けた天井は
どこまでも高く
届くことはなかったのさ


世界の不思議 全て集めて
絡まっている からくり
自然仕掛けで動かしている
奇跡なんかに
目を疑う事もないのに

小さく呟いた
魔法の呪文は届かないままに
どうやら僕らには知り得ない
力が働いているようで
必死に走りぬくしかないんだ

そろうのかな
いくつもの条件が
重なりあい 混ざり 彩り 映る
それを見れるのは瞬間で
気付いてくれと言うように輝いている


だから虹を描いた放物線
僕らが奇跡だと呼ぶことを
解き明かしてみて 教科書にしてまとめたい
掴めない幻の輝き
落ちない浮遊物の揺らめき
そしたら奇跡を
いつでも引き起こせるから



だから球を描いた地平線
僕らが温もりと思うのを
丸く包み込んで 地球儀にして見ていたい
心が通い分り合う事
この世界のどこにいたとして
全ての出来事
分らずも見つめられるから