曇天に月

夜空を見上げ

私の手の届く星明りは

いったいどこにあるの?

閉じ込めた思い

強く軋んで

星座さえ今じゃ

上手く結べない

道を照らしだすものは

街灯だけで

誰かの灯りを求めている

街角で笑みを浮かべて

曇る視界に溺れ惑わない

月も揺らぎ出す

水の溜りを揺らす苛立ち

命を無くしさえしなければ

地を這わすこともないのだと

日々の積み上げ

私の手の届く過去辺りは

いったい意味があるの?

描く理想の束

淡く歪んで

泡沫も今じゃ

空で繋げない

足を動かしてくれる

幸いである

誰かへ願いを求めている

曇天に月を浮かべて

見えぬ星には誰も気付かない

雲も照らし出す

街の灯りを映やす暗幕

光を見つけさえしなければ

手を延ばすこともないのだと

上ばかり見て手が届かず

下に伏せ涙が流れる

どうして こんなに

幸いは流れて美しく

それもまた1つの

塵だと知ることが出来る?

曇天に月をかざして

照らせ 明日にも星は輝くさ

地図を創りだす

未知を灯して結ぶ円盤

1つだけ見失わなければ

目を凝らすこともないのだと