サイレンサー
今両手で構える
その銃口の向き先
すべてを無に返す
音もなく 終わるでしょうからね
夜に響く一人泣きサイレンサー
まだ締め付けるこの胸の痛みも
積み上げられる空の銃弾と
まだ残っている憎悪の塊
今一つ装填し
感情を切り替えては
再び放つ
声を殺し打ち鳴らせサイレンサー
息を切らし身体のサイレンが
誰一人として助けられなくても
私独りは 嫌 嫌 嫌 嫌
すぐに落ちて輪廻を周り
雁字搦めでまた元に戻っても
1つと2つを結んで合わせて
その度絡まる運命の糸を
断ち切る手段はただ1つだけね
次をもう構えて
音もせずに空を裂くサイレンサー
ゆっくりと剥がれる現実をただ
ぼんやりと眺めているだけだけど
引きちぎれたらとても軽く
心のなかでつぶやく
その銃弾箱にある
一つ一つの弾が
暴発してしまわぬよう
まだ一人夜中にいて
断ち切るためにまた
私の鳴き声に似た
この銃を撃つ
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番外編