霞と紫陽花

道を覆う 雨が去る電磁音

私にはうるさすぎて

ひたすらに耳をふさいでいた

見えないものにおびえる私は

こらえきれない靄を蔑ろにして

飽和を迎えた時

その先が見えなくなるほどに

視界を覆い尽くした

この霞が雫へと変わる頃には

藍を集めて色づいた紫陽花のように

その心強さを抱きしめたままで

枯れることなく佇んだままで

空を通る 夜が去るカラス声

私には儚すぎて

ひたすらに空を仰いでいた

集めてばらまいたその花道

うまく通れず道を遠回りして

朝日を迎えた時

その色を初めて捉えては

視界を覆い尽くした

朝霞が花へと滴るころには

赤に染め上げ色付ける涙滴が沁みて

その土壌の中に落ちこんだままで

溶けださない痛みはどこへいく

霞が覆うすべて

そこに咲き誇る花も色も忘れ

後で嘆き行くのか

その時には私を囲う

霞を雫にその花へ

この霞が雫へと変わる頃には

藍を集めて色づいた紫陽花のように

その集真愛(あづさい)より私は染められ

溶けだしてる痛みはどこへいく

私は今何色に霞んだ

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一足早く、梅雨のイメージで。

集真愛は集真藍の藍を愛にした造語チックな。

藍色が集まったもの」を意味する。