綾取り

複雑に絡まった思想や感情の奥で

静かに眠っているあの日の私がいて

全てが壊れてはしまわないようにそっと

やさしく やさしく 解いて行こうとした

その時に気づいた 君が結んだ手から

離れたのは 君もまたそうしてたんだ

なのに全てを解いてしまったら

もう前には戻せない

複雑に絡めないんだ

君が誰も悪くならないように

綾取りをひとりきりで

始めていることにも気づかずに

ただ私は両手を広げて

この空を飛べるんだって

バカみたいに 遠くだけ見つめていた

次の一手を考える形や指先の糸は

難しくなっていく 互いにお互いさま

形が壊れたならどちらか負けだって

等しく 忙しく 形にしようとした

その時に気づいた 君が結んだ手から

作れないのは 私だけ 負けず嫌いで

ならば全てをなくしてしまえたら

もう前には戻れない

次の手は始まってるんだ

形になるようなものだけじゃない

綾取りの結び目とか

存在自体でさえ気づかずに

ただ私は両目を瞑って

何も持ってないんだって

バカみたいに 上辺だけ見つめていた

「ごめんね 貴方が取りやすいように

綾取りを結べなくて」

呟いてたことにも気づかずに

ただ私は両手を広げて

この空を飛べるんだって

バカみたいに バカみたいに

その複雑に絡まる糸を

全て一切切り裂いて

そこに残った一本の細い糸を

手を下した君のその指に

運命の赤い糸だって

結びつけて 笑いあい 見つめていたい

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子供のころの遊びシリーズとか題して。