折り

気の向くままに、赴くままに、何もない空白を埋め続けてきた独白は

私の中を独り空っぽにさせては、深呼吸をさせた。

その時々を、、あの頃は、、なんて言う紐で括り付けて

一遍にして大切に仕舞い続けてきた。

時折、思い出して、取り出して、読み返して

私の、今はもう空っぽではないそれと照らし合わせて、、あの頃は良かった、、なんて

空っぽに出来ないそれを、空っぽに出来ないままに空白を埋めたりした。

そして、また別の私はその空っぽになれなかった私を呼び出して

その時とは違う気持ちを抱いて話を聞いていたりする。

だって、私は知っているから。

空っぽになれなかった、その私が見ていた

空白が埋まっていることを。

特別な日には花を見つけた。

ちゃんと空っぽになれなかった日には

いつかちゃんと空っぽになれるように

折りをつけて見返せるようにしておいた。

その時々で拾い上げた花の、香り。

それをそのまま閉じ込めた押し花の、栞。

それだけでは間に合わないから所々につけた、折り。

それを見つけて時々見返す、微笑み。

どうか、その折には、その折りが、、祈り、。

そうでありますように。