End of The Words

ねぇ、もしも、この心臓の鼓動みたいに

言葉を吐き出せる回数が決まっていたら

君は何を紡ぎ出す?

寒い夜に吐き出された

「もういや、いや、いや、いや、いいや」

白い霧となって空に吸い込まれ雲になった

雲の中で反響し合っては

誰かとの声にぶつかって

時に重なり増大して

時に反して反発すること繰り返し

声は消えていくのだという

ねぇ、もしも、この心臓の鼓動みたいに

言葉を吐き出せる回数が決まっていたら

君は誰に伝えたい?

その君にしか感じることが出来ない

綺麗な言葉たちを

心に封じ込められた

「辛いや、悲しい、ふざけるな」

黒い水となって喉に吸い込まれ毒になった

毒が沁みて身体蝕んでは

自分との声にぶつかって

時に非情に傷をつけて

時に無暗に反芻することの繰り返し

声は失われるのだという

ねぇ、もしも、この心臓の鼓動みたいに

言葉を吐き出せる回数が決まっていたら

君は何を伝えたい?

そして君はそれを知らされた時に言う

「こんなはずじゃなかった」

ほら、また一つ減ってしまったね

そんなところに身をよこしていれば

心はまた違う言葉を紡ぐ

思い出して素敵なことに巡り合ったとき

この心臓の高鳴りみたいに

ドクンドクンと頭をよぎる

その素敵な言葉をちゃんと口にしてよ

今もまだ叩くでしょ?

その喉よりももっと奥の方から

ねぇ、もしも、この心臓の鼓動みたいに

言葉を吐き出せる回数が決まっていたら

君は何を紡ぎ出す?

全て繋がり音を鳴らしてくものを言う

君も鐘の音の一つ