蝉時雨

朝照りつける日差しと

降りかかってくる 蝉時雨の音

アスファルトの上

ユラユラする視界の底には足が

踏み出そうか迷い考える葦は

項垂れたら日も暮れて明日

汗が1滴落ちていっては

続く額から流れるものを

腕で拭いとって

もう どうにもならないと

思ったのなら 叫んで

必死で睨みつけた道の先が

蜃気楼で惑わされそうになっても

この五月蠅いくらいの蝉時雨が

耳を突いて 私を起こしているから

雲かげり始めてる

降りかかってくる 昼 時雨の音

泥濘の上

グラグラする身体の底への水に

踏み出せても迷わず顧みずに

ぬかるんでたら焼け石に水

涙1滴落ちていっても

続く心から溢れるものを

腕で拭いきれず

もう 抑えきれないと

思ったのなら 見上げて

必死で睨みつけた雲の先が

眩しくて目が眩みそうになっても

この涼しいくらいの昼時雨が

身体濡らし 私を落ち着かせるから

必死で睨みつけた夢の先を

蜃気楼で見失いそうになっても

この五月蠅いくらいの蝉時雨が

思い出させ 私を押し続けるから

行方凝らし この手を伸ばしているから