がらんどう

月が歪んだ夜に

彷徨う亡者が求めるものは

何一つもなく

欲深くないことが罪に思え

陽で晒されてしまうことを恐れた

誰がどうと舞い上がる言の葉が

そのまま私に降り注いで

罪の重さを感じては

身体が埋もれていく

だからお願い世界は

ずっと仲良くしててよ

息が 苦しくならないで

おやすみって優しく言えるように

罪が突き刺さるまま

背負う十字架の意味合いなども

何一つもなく

がらんどうの文面が罪に思え

陽で照らされてしまうことを恐れた

前がぼうと崩れ去る脳の糸が

そのまま私を動かさずに

罪の重さと引き合っては

身体は離れていく

だからお願い世界は

ずっと仲良くしててよ

頭 抱え込んでないで

おはようって涼しく言えるように

だからお願い世界は

ずっと仲良くしててよ

心 苦しくならないで

ありがとうって泣かずに言えるように

だからお願い世界は

ずっと仲良くしててよ