ヒトリウム

高架下冷たい暗がりの中
目の前の叉路にたつカーブミラーで
反射した陽射しが目をくらませた

僕らの未来はどこで横たわっているのかなと
段ボールにくるまるホームレスの横歩いていく
過去の未来はここにあったみたいだ

ブラウン管的テレビの世界を見つめながら
進んできた毎日はその箱の中のように
空間だらけの真実もないような日々に思えて
がらんどう 叩いて 直して


「どうかした?」冷たい礼儀の中
目の前にならんでる電子ボードの
拡散の乱れが目をくらませた

僕らの思いはどこに繋いでいくのかなと
匿名を名乗った名無しの権平さんの
現在(いま)の未来はどこにあるのだろう

電子脳的アプリの世界を見つめながら
憂いてきた毎日はその箱の中のように
高密度でいる忙しもないような日々に思えて
飽和感 優しく 癒して


理想を掲げ合う時から
真実だけが知りたくなって
耳を塞ぎ始めた
それなのに見えてしまう言葉と映像に
平等な世界はそこにあったよ

超先進的未来の世界を見つめながら
嘆いてきた毎日はアクリルの中のようで
傍から見える愛想もないような日々に思えて
ヒトリウム 飾って 並べて