ゲシュタルト

カゼノトオリミチを抜けて
永遠のような一瞬を過ごして
ふと立ち止まることも選べた
私は強くあれる気がした

ねぇ 自由に生きたいと願うことは
とても悲しく いけないことなのかな。

そんな風に私じゃない私へ問いかける日々は
とても遠いのに すぐに落ちていきそうだけど

手を伸ばした空に掴めない星
息を吸い込んで叫んだ海の果て
そのどれもがとても叶わないけど
星はそこにあるし
私はここにいる
それだけはどうか 忘れないよ


シキツメタレールを抜けて
切り取られたような時間がここにいて
また戻れる事も掴んだ
私は自由でいる気がした

ねぇ 何かに縛られると言うことは
とても簡単で 不自由なことなのかな。

そんな風に私じゃない私が問い詰める不安
とても嘘なのに 今も息も出来そうにないけれど

手で触れても忘れてしまう感触も
言葉吐き出して伝えて消えた音も
そのどれもが形ないものだから
縛るものはないし
私がここにいる
それだけがどうも 変わらないよ


ねぇ いつからか生きていくのが怖いと
うまく叫べなくなって どれくらいがたった

鏡の前で見つめた私は もう 昨日の私じゃなくて
だけど どうしてだろう 昨日までが嘘とも思えなくて


追いつける距離に揺らめく虹
走り続けてもずっと動かない月
そのどれもが不確かなものだから
私じゃない私も
私とともにいる
それだけをどうか 受け止めたい