線型バリケード

少し暗くなった空に
どよめきだす小さな箱が
それぞれの灯火で
照らしだす

想いだけが錯綜して
ほら、君がいっぱいいる
いくつも並べたって
消えはしないのに
何かを覆い被せるように

誰かになったところで
僕が僕じゃなくなるわけじゃないのに
それぞれの役に飲み込まれる
いつかはめようとした形に
「もういっぱいです」で
蹴落とされる僕は
いったい何を必要としているのだろう


無意識のままに
伏せた顔に映りだすのは
喜びさえあるのに
気づかないね

この空を手で廻して
そこに映りこんだ色を黒とするならば
僕らは笑いだす
太陽は飲み込めなかったと

声だけを置き去りに
いつからか張ってしまったバリケード
未だに解けずに笑っている
いつか差し出そうとしたこの手が
「もう結構です」で
弾かれてしまう僕は
いったい何を救いたかったのだろう


伸びすぎてしまった
端がどこだかも分からないバリケード
一つ一つ解いて向かい合わせてく
色々飾りすぎたこの身に
「もう大丈夫だよ」で
救われてしまう僕は
いったい何を守っていたのだろう
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なんだかもう懐かしくなってしまいますね。