干上がった湖底
海にも成れない湖を眺めていた
私と同じどこかに穴が空いて
腐水で満ちたその湖を
月や森や太陽を飼い慣らす
鮮やかな水面に漂う苔
うまく濁して綺麗になれない
それも私と同じ
明日に彷徨う溜め息を捕まえて
そのせいで溢れそうになった
心の身代わりの
呼吸が苦しいから
その水中に飼われてしまおう
空しか居れない太陽は眺められず
陽が落ちて眩しさが消えた後にて
本物見れるのは月だけで
不確かなる太陽を望んだら
あなたという 例えば他の誰か
私が望んだものとも知らず
それに手を伸ばすから
あなたが右手に太陽を捕まえて
そのせいで溢れた血しぶきを
日差しというのなら
私は月が照らすその湖に沈んでしまおう
あなたが右手に太陽を握りつつ
湖へ伸ばした腕が触れ
舞う靄 飛ぶ滴
私は月が照らす湖底にて眠りについてた