ルミエール

心は凪いだ
誰かに揺さぶられる事もなく

明日を紡いだ
今の僕にできること
何一つ無いけど

木々から降り注いだ 木漏れ日を集め
この世界の全て そんな優しさで 包み込めたらいいのにね
って思ってみたんだ

こんな風な今日の穏やかさを
いつか強さと誇れる そんな日々へ
今出来ることなんてなにも無いさ
何かを守れた そんな昨日があったことを
明日に思い出すのだから


それでも本当は
これでいいのかと思ったりして

明日を拒んだ
そんな夜にできることは
早く寝ることだけど

夜空で煌めいた 星たちを集め
この天井を飾って そんな愛しさで 眺められたらいいのにね
って思ってみたんだ

どんな闇も晴らせないけれども
いつか弱さを嘆いた そんな君へ
今出来る精一杯ができたなら
何かを愛せた そんな自分がいたことを
いつも覚えてるのだから


心は臆病だ
ずっと動いてないと生きれなくて

叫んでも 踠いても 何一つ変わらなくて
願いは無力だ

って思ってみたんだ

こんな風ないつものめまぐるしさ
いつか彩と呼べる そんな日々へ
今出来る精一杯が見えたなら
何かを愛し 守れる 自分がいることを
明日に思い出せればいい

そう、思ってみたんだ

白昼夢

明日が全部嘘になったら
僕は旅に出ようと思う

時計の歯車をひとつ外して
もう進みも戻りもしない
文字盤の上で 祈らずに
惑わずに ただ真っ直ぐに

手を伸ばした


いつか……

ずっと……

夢見てた


過去が全部嘘になったら
僕は旗を立てると思う

セピアの背景をひとつ残して
もう色褪せず蘇らない
平面の中で 触らずに
変わらずに ただゆっくりと

手を離した


今も……

ずっと……

夢見てた



いつか、を

今も……

追いかけた


明日が全部白になったら
僕は嘘をつこうと思う

シャボン玉

胸の中から飛んで行った
あの透明な憧れや不安を含んだ
時たまに 揺らめいて 弾けそうで
虹色に煌めく 泡だ

風に吹かれて 遠く飛んでく
心囚われ 視線は 遠く
息を飲んでも うまくいかない

自然に 溢れるように

無邪気さ武器に 僕らは
次々作り出した 瞬きだ
囲われた世界は夢のように煌めいて
手を伸ばせば 泡沫だ


瞼閉じれば零れ出す
その優しさの瞬きも木漏れ日でさえも
ふとしては 空に飛んで 触れそうな
狭間にて揺蕩え

風に揺られて 今を彷徨う
包み込まれた 昨日は 遠く
息を吐いても 届きはしない

当然に 流れるように

無鉄砲武器に 僕らは
次々走り出した 瞬きだ
囲われた世界を水のように切り裂いて
弾けて消える 泡沫だ


ねぇ 弾けてしまったら あの形も
輝きも 忘れてしまうの?

全てが一瞬だから
胸の中から飛んで行く それを
弾けてしまわない方法を探すけど
大切に胸にしまっておく方法を知りたいよ


一瞬の時を 僕らは
ひたすら紡ぎだし 弾けてく
囲われた世界は夢のように煌めいて
手を伸ばせば 泡沫だ

ゲシュタルト

カゼノトオリミチを抜けて
永遠のような一瞬を過ごして
ふと立ち止まることも選べた
私は強くあれる気がした

ねぇ 自由に生きたいと願うことは
とても悲しく いけないことなのかな。

そんな風に私じゃない私へ問いかける日々は
とても遠いのに すぐに落ちていきそうだけど

手を伸ばした空に掴めない星
息を吸い込んで叫んだ海の果て
そのどれもがとても叶わないけど
星はそこにあるし
私はここにいる
それだけはどうか 忘れないよ


シキツメタレールを抜けて
切り取られたような時間がここにいて
また戻れる事も掴んだ
私は自由でいる気がした

ねぇ 何かに縛られると言うことは
とても簡単で 不自由なことなのかな。

そんな風に私じゃない私が問い詰める不安
とても嘘なのに 今も息も出来そうにないけれど

手で触れても忘れてしまう感触も
言葉吐き出して伝えて消えた音も
そのどれもが形ないものだから
縛るものはないし
私がここにいる
それだけがどうも 変わらないよ


ねぇ いつからか生きていくのが怖いと
うまく叫べなくなって どれくらいがたった

鏡の前で見つめた私は もう 昨日の私じゃなくて
だけど どうしてだろう 昨日までが嘘とも思えなくて


追いつける距離に揺らめく虹
走り続けてもずっと動かない月
そのどれもが不確かなものだから
私じゃない私も
私とともにいる
それだけをどうか 受け止めたい

うたかた

ねぇ 私たちは
生きている世界が
違っていたのかな?

言葉交わし そして
分かり合って から
触れ合って 今
同じ時間の中で
息をしていたのに
貴方にしてあげられることが
私の世界では一つも
見つけられないの

どうか どうか
がむしゃらに願った夜に
弱さと引換えの 大切な雫の中で
せめてあなたが振り向かずに
進んでいく姿が映し出されるよう
そんな夢を見るよ


そう 私たちは
刻む歩幅が
合わないままで

置いて行かれ そして
追いついて から
置いてって ほら
歩幅違うところに
惹かれたはずなのに
互いに合わせようとしていて
足元覚束ないままで
躓いていたの

どうか どうか
ひたむきに繕う朝に
怖さと引換えの 柔らかな秘密の中で
せめて貴方が望むまま
歩き出せる 明日が迎えられるよう
そんな今日を待つよ


これまで積み重ねてきた
砂時計のような日々が
今 思い出しては触れられず
水面に浮かぶ泡のように消えていく

私の世界で見つけた最初の
貴方のためも これで 最後でしょう


どうか いつか
ひたすらに繋いだ日々を
青さと引換えの 大切な紡ぎの中で
せめてあなたを思い出し
笑っている姿が映し出されるよう
そんな夢を見るよ


そんな夢も 消えてしまうかな

Zero Gravity

真っ直ぐに進んでいくために
必要だったのは ほかでもない
足を正しく立たせる重さだった

抱え込むもの全て背負っても
重すぎて 進めないし
浮足立っても痛い目を
見てしまうだけ

それに気づいたのは
浮かんでひたすら
涙を空に還している時で

もう戻れない

何かを得るために
何かを失う
そんな代償いつ払ったか
知らないけれども
得たものが望んだものかも
知らずに 流されていく


誰かに望まれ 利用され
重力のような 犇めき合い
明日を正しく壊す怖さだった

欲しがるもの 全て望んでも
遠すぎて 届かないし
自由への引換が 何も持ち続けないこと

それに気づいたのは
重さを失い
無重力が無力になった時で

もう帰れない

何かを得るために
何かを失う
そんな代償で済むのなら
全てくれてやる
得るものが望みに叶うか
知らずに 離されていく


何かを得るために 何かを失う
そんな代償覚えもなく
気づかないままで
得るもの望んでなくても
進めて 次を求める

羽を手に入れて 空を飛ぶ
そんな不自由な自由の中
新しく出会うものに ひきつけられるよう
道なんてありもしない 空で
新しい未知を描く

間違い探し

理想を掲げて 進み始めて
今 僕らは どこにいるのでしょう

うまく進めている
ほら、そんな顔をしないで

迷ったって思えるのはさ
行きたい場所 本当は知っているからでしょ?

何をどうしたらいいの
なんて言うけれど
君のやりたいように
すればいいよ
間違えたって
ほら 今みたいに
迷ったって気づけるでしょう?


現実を突きつけ 追い込まれてて
今 僕らは どんな顔でしょう

何か失くしている?
ほら、そんな過去を見ないで

間違たって思えるのはさ
大切なもの 本当は知っているからでしょ?

何を大切に抱えて
生きていくのだろう?
今あるものだけは
守れるけど
振りかえたって
取り戻せない
ほら、今みたいに
間違たって気づいたなら
何を集めて探して
生きていくかでしょう
誰かとぶつかるけれど
手を取り合って
失たって
迷子になったって
間違い探しを
ずっとずっと続けるでしょう