青の蛹
青い海は 広く 遠く
全てを優しく受け入れてくれるから
甘えたくなる 心を押さえつけつつ
投げた叫びも包んでくれる
明日を憂い 文を書きあげては
いつか誰かに届きますようにと
流してみる
波を揺らし
風を感じ
そこに乗せる想いを
歌にしたなら
渚に帰る
流れ着いた
昔に流した
海のボトル
何がつまっているだろう
青い鳥は 高く 遠い
頭上を飛んで気付かれないようにと
密かに 今 隣の芝を青にし
逃げて行くから追いかけてみた
森に迷い 靄が立ち込めては
怖く覚束ない足を踏みしめ
歩いていく
風が揺らし
霧が晴れて
舞い上がる蝶々を
見上げたのなら
蛹に潜む
残り詰まる
青を戻した
空のラルヴァ
どこへ飛んでいくだろう
幸せとか
不幸せも
塗られている青色
見つけたのなら
自分色で
塗り替えては
強く紡いだ
青の蛹
何がつまっているだろう