時計-1

止めた心のハリを
動かそうとするその手が
もうすでに止まったままで
今も何も始まらず 何も変わらないでいる

閉じ込められた 部屋の隅
世界を一人でにらめっこ

このまま 私が追い付けない速度で
地球が回り続けたとして
どうして私だけが 置いていかれたのに
どこか終わりに近づいた気分になるの

ヨゾラ

遠く望んだ夜の淵
伸ばした手が届くはずもないのに
いつまでも追いかけ続けて

静寂の中で眠るものが
願いだったか 祈りだったか
それすらも忘れたようなものが
今もそこで照らしているなら

どうか って 言葉 こぼしながら
居ても立っても居られない僕らに
大きな旗を掲げなくても
浮かぶ夜空と月 星の瞬きに
ほら 包まれている

空白

手を伸ばしてみた 幻みたいな影が

そこにあって届くと思っていたのに

 

誰も知らない速度で 誰も知らないところへ

連れて行ってくれてるはずなのに

私たちはどうしてこうも どこを探し続けているんだろう

 

知らないまま耳をふさいでた毎日を

今はその景色だけはっきりと覚えている

それ以外は何も 覚えても 思い出にもならないのにね

空白だけが埋めていく

アシダンセラ

見つけたもの 見失ったもの

例えば ふと見かけた小道の花

いつもそこにいて だけど 気が付かない

そんなことの方が多くて

 

風に揺られる 私も

私は見つけられないまま

ずっと闇雲に走っている

 

息を切らしていることも

忘れようとしていた

 

少しだけ雨に濡れていた

そのアシダンセラの葉を思い出して 

多くを見もしてこなかったこと

教えてくれたから 

今 風が止む

Si

少しだけ、少しだけ
僕の話をどうか
聞いてくれはしないかな
ただ、それだけなんだよ

近頃は、いつしか
色々と問題ばかりで
落ち着いて考える暇なんて
少しも、なかったけど

いやに単純で、マヌケなのに
どうしてか、難しく
複雑に考え込んでしまう
そんな僕だけれど

あぁ、今、ここに答えなんか
ひとつも、なくても、構いはしない

沈んでく夕日に
もう、焦ることなんかなくて
穏やかに、君との明日を望める
そんな日々があればいい


少しだけ、少しだけ
僕の話をどうか
覚えてくれてないかな
ねえ、これからもずっと

何かを守りたくて
強いふりをしてみたりして
いつのまにか守りたい何かを
傷つけていたりして

たまに馬鹿らしくて、投げ出しても
どうしてか、捨てられず
不安定に崩れ落ちてしまう
そんな僕だけれど

あぁ、今、失ったもの見つめ
一つ目、二つ目、数えたとして

どんな暗闇でも
もう、見失うなんてなくて
信じてる、君との光を祈る
そんな日々を追いかけたい

 

もう少し、もう少し
僕の話をどうか
なんてそんなわがままを
ねぇ、これからもずっと

沈んでく夕日に
もう、焦ることなんかなくて
穏やかに、君との明日を望める
そんな日々があればいい

Before Autumn Song

どこに向かって走り出そう

始まりの香りをかぎつけて

これから描ける自由を感じた春も

散々な雨に打たれて項垂れた

僕を起こすような永遠を感じた夏も

 

もう、とっくに通り過ぎてしまいそうで

名残惜しさを映すように夕陽が傾いていく

 

このまま、きっと、終わりを迎えるだけだって

何故か僕らは知っていたでしょう

そんな永遠が砕けて どこで迎えるべきか

知らないでいるんだよ

 

 

どんな足跡紡ぎだそう

移ろいの陰りを受け止めて

これから色付く息吹を感じる秋も

凍てついた風に吹かれて揺らいでた

僕も覆うような果てしなさを感じる冬も

 

もう、すぐに過ぎ去ってしまいそうで

焦燥感にのまれるよう夜空が広がっていく

 

このまま、そっと、終わりを迎えてしまっても

何故か僕らは探しているのでしょう

どんなものからも光を その闇の中でも

次へ繋げるんでしょ

 

 

このまま、きっと、終わりを迎えるだけだって

何故か僕らは知っていたでしょう

巡る季節から感じた 積み重ねた時間

無駄にしたくないから

そして

このまま、そっと、終わりを迎えるだけなんて

何故か僕らはあきらめそうだったけど

知らないでいいんだよね

ライン

そっちの天気はどんな感じ?
予報じゃ雨が降るらしいから
傘を持って出かけるといいよ

            ありがとう、でもなんだか
            雲ひとつもない晴天で
            雨なんか振りそうもないんだけど


そう?とにかく気をつけてね

            分かった、それじゃまた後で

    空は一つで繋がっているのに
    それだけでは分からない
    遠い先の向こう


    透明なラインを上手く手繰り寄せて
    心はどうしてでも近くあろうとする

ねぇ                    なぁ

    心が一つも違うことなどなく
    互いにわかる日が来たのならば

私たち                 僕らはさ

    何一つ迷うことなど無くなるのかな

 

            今日の気分はどんな感じ?
            しばらく声を聴けてないから
            不安でいたりしないかな

大丈夫、心配ない
何一つもなく普通で
相も変わらないで過ごせているよ

            そう?それならばいいけれど

そうだよ、変わらないでいるよ

    時は一つで繋がっているのに
    同じようには刻めない
    遠い道の向こう
    

    透明なサインを上手く包み隠して
    心はいつまでも寂しがろうとする

もう                    あぁ

    心が弱さを嫌うことなどなく
    一切を許す日が来たのならば

私たち                 僕らはさ

    何一つ隠すことなど無くなるのかな

 


   繋ぎたい
                  繋がらない
       そんなもどかしさを
   繰り返して
               繰り返して
       飛ばすこのライン


   届いて            届かない
       そのもどかしさは
       何のせいでもなくて
   私はさ            僕はさ
       その文字の中には

         いないよ


    透明なラインを上手く辿り巡って
    貴方をどうしてでも探し出そうとする

          今                    

    心が掴みだした弱いつながり
    大切に結び続けられるなら    

         ふたりはさ

    何一つ騙すことなどなくなるのかな