それらしきもの

垂下

一つしょうがないよねって言って 二つしょうがないよねって積んで 三つしょうがないんだって投げてさ そうやって諦めてきたことばかり 封を開けずに積んだマンガみたいに しょうがないが積み上がって どうしようもないもんが生まれたんだ ほら 365日はうるさ…

磁石

私の心の中に繊細な磁石を置いて 振れるままに引き寄せては離れ 次にたどり着く場所はどこだろう? 強く保ち続けてないと 上手く離れることできなくて 無理に引きはがそうとしては ぼろぼろと砂鉄のように落ちた 欠片に 少し残った 心の残骸のようなものに …

ワンダーリン

いつもとは違う ドアの閉まる音 少し強めだけれど 顔はなんだか暗くて 忠誠誓いましたとて 生きていくには 背に腹は代えられず おなかは空くばかり そのまま忘れられて 部屋に籠られても 困るし 心配だし なんだろうな? 様子を見に行こうかな ワン!ダーリ…

愛して。

愛とかいうやつで世界は変えられるはずなのだと 問いただされる愛の意味でさえもどこか儚げなの 愛があれば強くいられるとか 「それならなぜ、どうして私は挫けそうなの?」 なんで君のその「愛して。」が 崩れそうにも寂しく聞こえるのか 分からず 疑わず …

さんざめく祈り

明日はいったい何を降らす? 雨 飴 天に 雲間 注ぐ 光 香 虹(こう)を 請おう 探す 晴れ間と雨間 今は 一体 どんな天気なんだろうか 明日になればすべて忘れ 損 遜 宣(そん)は 過去に 流れ 未来と過去 今は 一体 何を心に持てばいい 何かにつけて 明日がど…

デスマーチパレード

積み上がる資料傾いちゃって まぁ 崩壊したそのあたりでさ 「この世界の新しい仕様書です」 なんてさぁ どうにも全体把握しきれないのに 飛んで火にいる追加の燃料 大炎上中のキャラバンデスマーチ 次々に追加してくる 世界の振興と対をなした 悪意の侵攻と…

イカロス

時々背中に強い痛みがあって 翼でも生えてくるんじゃないかって 少し期待したりして 空が飛べたらいいなとか 何も望まないでいたいなとか 夢みたいなものを見続けている イカロスが目指したものが 太陽でなく 月だったら たどり着くころには 無酸素の中苦し…

匿名希望の神様

溜まりに溜まった課題の山 答えがどこにあるかもわからない 散々それらしいものにしがみ付いても どれも確かではなくて この人生に模範回答があったとしよう 本当にそれが答えだと信じれる要素はどこにあった なのに「神様、お願い」なんて 神様は貴方たちが…

五月雨

五月に募る憂が 六月の空を染めて いつまでも続く雨を落とすらしい だらだらと思いを落とし続ける私は 耳元ならして疎ましくなるのです 明日雨が落ちるならば 私が会いに行きましょう 傘を持って貴方に差し出すでしょう その時は都合よく雨宿りしてもいい 傘…

泣き虫坊主と疲れ顔

子供のころはさ だた足をすりむいたり 頭をぶつけたりしただけで 泣いていたな 今じゃそんなことじゃ泣かなくなったけれど たまにどこに痛みがあるか分からないこともあって だから理由が分からないから 必死に耐えてみるんだけど それでもどうにも耐えられ…

オールトの雲

朝起きてすぐに考える 今日はいつ帰れるだろう もしかしたら時計の針が 悪戯をしていつもとは違う時間かも それがどちらに転ぶかな その針を気にしているうちに アリスの国に迷い込んだりして 少し良いことあると これでいいのかな、なんて 少し悪いことある…

good luck

横道から車が飛び出してきて あと少しタイミングがずれていたら ぶつかっていたのかなとか 考えたりする そんな風に僕は誰とも知らない 他人と関わりを持ちながら 生きながらえている 奇跡とか 生かされているとか そんな大げさなものじゃなくて 至極普通に…

綾取り

複雑に絡まった思想や感情の奥で 静かに眠っているあの日の私がいて 全てが壊れてはしまわないようにそっと やさしく やさしく 解いて行こうとした その時に気づいた 君が結んだ手から 離れたのは 君もまたそうしてたんだ なのに全てを解いてしまったら もう…

屍ファンダメンタル

毎朝黒い服を着て 身なり身の様整えて 大きく列を蛇みたいにさ 這わせてうねらせ走らせて そのまま箱の中をぎゅうぎゅうに 詰め込んでどこに行く 殺した未来の参列に毎晩繰り広げられた 可能性の想像と罪悪にかられた残像を思い出し 今日も今日とて皆様同じ…

考えなくていいよ

全然何も考えなくていい! 全然何も抑えずにいていい! ただ思いついたままに言葉にしてみるといい それが歌になって綺麗にしてくれるから! 生きている意味とかなんだろうな なんて考えては複雑に入り組んじゃって 邪魔な思考が心を遮っちゃって ちゃんとし…

霞と紫陽花(ver.2)

道を覆う 霧が鳴る電磁音 私にはうるさすぎて イヤホンで耳を塞ぎ走り出した 見えないことにおびえる私は どうにもできない霧を蔑ろにして 溢れかえるほどに叫んだあと その先が見えなくなる靄が 視界を覆い尽くした この霞が雫へと変わる頃には 藍を集めて…

霞と紫陽花

道を覆う 雨が去る電磁音 私にはうるさすぎて ひたすらに耳をふさいでいた 見えないものにおびえる私は こらえきれない靄を蔑ろにして 飽和を迎えた時 その先が見えなくなるほどに 視界を覆い尽くした この霞が雫へと変わる頃には 藍を集めて色づいた紫陽花…

想い歌

いつまで覚えていられるかな? この揺らぎやすい感情は 間違いでも 悩むだけのものじゃないけど いつか この気持ちを 忘れそうになって 誰かを傷つけそうになったら 思い出して 覚えていて そしてちゃんと その愛で包んで そしたらきっと 泣きながらでも い…

遠時恋愛

生まれた時から 刻まれた 僕らの道 時という名の上 戻れも 早めることも できない道を行く その道の上で 出会った 人や物 枝分かれした そこで 「さようなら」って 手を振ってきた その上で更に 手をつなぎ 心結び 愛という名のもと 穢れも 過ちさえも 許し…

遠距離恋愛

「大丈夫、少し遠くなるだけだよ」 「心の距離は離れないから」 なんてありきたりな台詞しか 思いつかなくて それなのに君は 「遊びに行けばいろんなところ行けるね」って 出不精は僕をからかいながら笑っていた 暗闇の中で見つける光みたいな君の笑顔が 僕…

悪役

歩みを止めたい 疲れてしまったのね 満身創痍を広げた 微温湯に浸っている 心が止まない 蓋してしまったのね 不平不満を押し込め ひび割れが入っている 栓を抜いてしまえたら いっそ割れてしまえたら 戻れないわ 私を追い越すのは他でもない私で その永遠の…

鈍行列車

朝、いつも通りに 駅のホームに立って 見えた景色が少し 不思議に思えて 悲し 滲む景色かな 眩し 虹の景色かな よくわからないほどまでに混じっていたんだ 鈍行列車に乗り込んで 向こうの車線では 昨日の僕が下を向いていた その車内の真ん中 一人仁王立ちを…

ミタイミライ

不安定 脈動 足元を鳴らす 靴音 ひとつ ふたつ 耳を触りながら 今も歩く 14時みたい バカみたい どこにもない明日を 起きてから探して 彷徨っている 飛び立った思考の先に 見えるものはいつも違った 願ったのか 想っただけか その間を縫う 現実はそういつで…

魚眼フィルタ

止めどなく流れている 時間は過ぎ去りし 思い出の数だけ その速度を緩めていくから 溢れ出した思いとか 消し去りたい思いの分だけ 僕を一人廻していく 無くしたものの埋め合わせは 事足りない 今で やりきるしかない 泣きたい夜は 速くなって 会いたい夜は …

欠けた満月

お月様が真ん丸になる それまでの日々を ただ退屈に過ごしていても 何かがほしく 羨んでも それが私を満たしてくれるの? 簡単に手に入っても 確証がなければ 怖いままでしょう 空に昇る満月の赤に 私は怯えて 満る引力に 逆らい 潜り込み 欠けた満月の夢を …

ruins

凍ったまま 透明な朝 黄色に染まる世界で ただ 一人 降り注いでいる光の柱を 目を擦すり 見ていた 吹きつける 風に攫われた あくびを もう一度取り戻して 呼吸が整ったら 始めようか 幾らかは 慣れてきたけど 心は 理解してくれなくて 弱く 折れそうな 気持…

曇天に月

夜空を見上げ 私の手の届く星明りは いったいどこにあるの? 閉じ込めた思い 強く軋んで 星座さえ今じゃ 上手く結べない 道を照らしだすものは 街灯だけで 誰かの灯りを求めている 街角で笑みを浮かべて 曇る視界に溺れ惑わない 月も揺らぎ出す 水の溜りを揺…

その時は手を握ろう

貴方の為に 捧げられる 言葉と思いを探している 濁りきった思考の海でなく 透き通った朝露のような 雫を言の葉に滴らせて 今はまだ 貴方を 愛せずにいるとしても その目だけは 離せなくて 心だけが ずっと 彷徨っている 夜と過去を 照らす星だけは 今日も輝…

Clear

流れに乗ってって それで 辿り着く場所なんてもう 乗り始めた時から 分かりきっていたんだ 流れてく風 感じ 向かい風だけなんてもう 乗っかっているだけだから 分かりきっているんでしょ? どこか探さなくちゃ 次を選ばなくちゃ どれも自分で 決めてなんて来…

あの夏が待っている

夏が干からびていた 長い道路の逃げ水 それは私の心を潤すものでもなく 深くまみれた湿度に 微温くべた付く首元 それは私の乾いた喉まで纏わり付き このまま日差しに打たれ 気が遠くなりそうなとき 瞼の裏かすめた 黄色ひまわりの一面 照らすあたりの景色 戸…