遮光

鐘が撃ち落とされた日から
ずっと探していたもの
それは案外美化されていたりしていて

頭の中のあの鐘の音は
未だに 綺麗に鳴り続けて

実は錆び付いて少しずつ
違う音色になっている事にも気付かず
深みを帯びていくことが
変わらないことと同じだと勘違いして
ずっと立っているだけかな


月が撃ち落とされた日から
ずっと怯えていたこと
それは案外杞憂で済んでしまったりで

夜闇の中のあの朝の陽は
等しく 綺麗に照らしてくれて

実は移ろいて少しずつ
違う光量になっている事にも気付かず
形がかけていくことが
変わりゆくことと同じだと勘違いして
ずっと憂いてるだけかな

実は綻びて少しずつ
違う姿になっていくことにも気づかず
あなたが抱えてるものが
失われても あなただと信じ続けて
ずっと歩いて行けるから