五月雨

五月に募る憂が 六月の空を染めて いつまでも続く雨を落とすらしい だらだらと思いを落とし続ける私は 耳元ならして疎ましくなるのです 明日雨が落ちるならば 私が会いに行きましょう 傘を持って貴方に差し出すでしょう その時は都合よく雨宿りしてもいい 傘…

ジェンガ

全てが崩れていきそう その積み上げられた 規則正しい 長方形の木 私は どこにいて 私は どんな形をしている? 全てがまやかしで 偽られ 私は私以外を見ることしか できなくて もしかしたら私が歪で 壊してしまうのならば そうなる前に 全てが崩れさってしま…

泣き虫坊主と疲れ顔

子供のころはさ だた足をすりむいたり 頭をぶつけたりしただけで 泣いていたな 今じゃそんなことじゃ泣かなくなったけれど たまにどこに痛みがあるか分からないこともあって だから理由が分からないから 必死に耐えてみるんだけど それでもどうにも耐えられ…

バイキング

人生を味付けしてみて ちょっとずつ自分で食べていく 好きなものだけなら早く食べ終わっちゃうから あちらこちら手を伸ばしては 味わっていくのが醍醐味ならしい 突然に放り込まれたバイキング 選びたい放題の取り放題なはずなのに 本当に食べたいものがそこ…

春夏秋冬

だってずっと動き回っていく このメリーゴーラウンドは休まなくて メンテナンスとか 新装とか そんなことを催す暇もないみたい でも少しずつ変わる色や匂い 全て思い出と同じようで 昨日見たものとは違うようで 覚えている 何を思ったのか 忘れている 何を感…

オールトの雲

朝起きてすぐに考える 今日はいつ帰れるだろう もしかしたら時計の針が 悪戯をしていつもとは違う時間かも それがどちらに転ぶかな その針を気にしているうちに アリスの国に迷い込んだりして 少し良いことあると これでいいのかな、なんて 少し悪いことある…

good luck

横道から車が飛び出してきて あと少しタイミングがずれていたら ぶつかっていたのかなとか 考えたりする そんな風に僕は誰とも知らない 他人と関わりを持ちながら 生きながらえている 奇跡とか 生かされているとか そんな大げさなものじゃなくて 至極普通に…

綾取り

複雑に絡まった思想や感情の奥で 静かに眠っているあの日の私がいて 全てが壊れてはしまわないようにそっと やさしく やさしく 解いて行こうとした その時に気づいた 君が結んだ手から 離れたのは 君もまたそうしてたんだ なのに全てを解いてしまったら もう…

シャボン玉が割れる理由

最近メモ帳みたいにいろんなところに 思いついたことをばらまく事が多くなったような気がする。 本来どこで吐くべきなのだろうと考えたら 別に誰かが与えるべきでもないし 伺うべきでもないのかもしれないと思った。 吐き出してしまえば終わりのことが多いの…

屍ファンダメンタル

毎朝黒い服を着て 身なり身の様整えて 大きく列を蛇みたいにさ 這わせてうねらせ走らせて そのまま箱の中をぎゅうぎゅうに 詰め込んでどこに行く 殺した未来の参列に毎晩繰り広げられた 可能性の想像と罪悪にかられた残像を思い出し 今日も今日とて皆様同じ…

考えなくていいよ

全然何も考えなくていい! 全然何も抑えずにいていい! ただ思いついたままに言葉にしてみるといい それが歌になって綺麗にしてくれるから! 生きている意味とかなんだろうな なんて考えては複雑に入り組んじゃって 邪魔な思考が心を遮っちゃって ちゃんとし…

霞と紫陽花(ver.2)

道を覆う 霧が鳴る電磁音 私にはうるさすぎて イヤホンで耳を塞ぎ走り出した 見えないことにおびえる私は どうにもできない霧を蔑ろにして 溢れかえるほどに叫んだあと その先が見えなくなる靄が 視界を覆い尽くした この霞が雫へと変わる頃には 藍を集めて…

霞と紫陽花

道を覆う 雨が去る電磁音 私にはうるさすぎて ひたすらに耳をふさいでいた 見えないものにおびえる私は こらえきれない靄を蔑ろにして 飽和を迎えた時 その先が見えなくなるほどに 視界を覆い尽くした この霞が雫へと変わる頃には 藍を集めて色づいた紫陽花…

想い歌

いつまで覚えていられるかな? この揺らぎやすい感情は 間違いでも 悩むだけのものじゃないけど いつか この気持ちを 忘れそうになって 誰かを傷つけそうになったら 思い出して 覚えていて そしてちゃんと その愛で包んで そしたらきっと 泣きながらでも い…

遠時恋愛

生まれた時から 刻まれた 僕らの道 時という名の上 戻れも 早めることも できない道を行く その道の上で 出会った 人や物 枝分かれした そこで 「さようなら」って 手を振ってきた その上で更に 手をつなぎ 心結び 愛という名のもと 穢れも 過ちさえも 許し…

遠距離恋愛

「大丈夫、少し遠くなるだけだよ」 「心の距離は離れないから」 なんてありきたりな台詞しか 思いつかなくて それなのに君は 「遊びに行けばいろんなところ行けるね」って 出不精は僕をからかいながら笑っていた 暗闇の中で見つける光みたいな君の笑顔が 僕…

level5

全ての始まりどころの勘所 勝手気ままなダイスで 基本的なパラメータは割り振られ 何の気なしに可能性は無限大 どこにだっていけるかな 何にだってなれるかな 進化の可能性も必殺技の習得も 未知なるもの 無理だって決めつけて途絶えた レベルが上がる経験は…

悪役

歩みを止めたい 疲れてしまったのね 満身創痍を広げた 微温湯に浸っている 心が止まない 蓋してしまったのね 不平不満を押し込め ひび割れが入っている 栓を抜いてしまえたら いっそ割れてしまえたら 戻れないわ 私を追い越すのは他でもない私で その永遠の…

鈍行列車

朝、いつも通りに 駅のホームに立って 見えた景色が少し 不思議に思えて 悲し 滲む景色かな 眩し 虹の景色かな よくわからないほどまでに混じっていたんだ 鈍行列車に乗り込んで 向こうの車線では 昨日の僕が下を向いていた その車内の真ん中 一人仁王立ちを…

あなたの嫌いなところ

あたし、今、あなたの嫌いなところを 書き始めてみたところ 急にそっけなくなるところや 何か考えているのに 何も考えてないようでいるところとか 自分の都合を押し付けるところも 全部、全部、嫌いなんだから 分かりたいって思っているのに 大丈夫だって思…

laughter all

なんて狭いんだ 僕の生きてきた世界だ 悔しくなって どこに行く術を 何一つもっていやいないんだ いろんな悲鳴を聞いて 勝手に強くなって 自分にライト当てられたら 逃げたくなって 走ってみたのに 結局 戻る場所は 同じ場所だなんて 笑っちゃうよな もう 逃…

かっこつけ

僕らはいつでも 伝えたいことと 話したいこと それらを綺麗な整いにして 伝言している それなのに 要は それは 見出しで さらにまとめあげられて 空白ばかりになってしまうよね それからいつも ()つけられ 無理やり型取り 不必要なことは 書き換えられてし…

ミタイミライ

不安定 脈動 足元を鳴らす 靴音 ひとつ ふたつ 耳を触りながら 今も歩く 14時みたい バカみたい どこにもない明日を 起きてから探して 彷徨っている 飛び立った思考の先に 見えるものはいつも違った 願ったのか 想っただけか その間を縫う 現実はそういつで…

魚眼フィルタ

止めどなく流れている 時間は過ぎ去りし 思い出の数だけ その速度を緩めていくから 溢れ出した思いとか 消し去りたい思いの分だけ 僕を一人廻していく 無くしたものの埋め合わせは 事足りない 今で やりきるしかない 泣きたい夜は 速くなって 会いたい夜は …

欠けた満月

お月様が真ん丸になる それまでの日々を ただ退屈に過ごしていても 何かがほしく 羨んでも それが私を満たしてくれるの? 簡単に手に入っても 確証がなければ 怖いままでしょう 空に昇る満月の赤に 私は怯えて 満る引力に 逆らい 潜り込み 欠けた満月の夢を …

雑思考

最近、音楽で今まで意識していなかった音が はっきり聞こえるようになっていたり 楽曲への没頭感が増したり 味覚が敏感になっていたりすると あれだということが分かった。 あれっていうと、あれなんだけれども なんだかすべてにおいて感覚が 鋭くなっている…

ruins

凍ったまま 透明な朝 黄色に染まる世界で ただ 一人 降り注いでいる光の柱を 目を擦すり 見ていた 吹きつける 風に攫われた あくびを もう一度取り戻して 呼吸が整ったら 始めようか 幾らかは 慣れてきたけど 心は 理解してくれなくて 弱く 折れそうな 気持…

砂の城

初めからここにあったような 初めから何もなかったような 今また私はここに立ち息をしている 何かを失ってしまったような 何かを忘れてしまったような そんな事さえも分からないほど時が過ぎ いつか私の知らない未来が 誰かを助けて 誰も助けられない それを…

about around spring of winter

かざしたら透き通る掌 温かいけど身体は震えて 寒さを覚える気温に 身に覚えのある感覚 少し張り詰めた空気の中 期待も焦燥も闘争も含み 打ち破るように 揃わない足跡を 綺麗に並べて 乾いた風を抱いたまま駆け出す 喝采のような その隙間ない足音に 君の手…

なんとなく、

なんとなく、何かを思っていて なんとなく、何かを祈っている。 なんとなく、何かを憂いていて なんとなく、何かを追っている。 なんとなく、何かを押し付けて なんとなく、何かを拒んでいる。 なんとなく、何かを嘆いていて なんとなく、何かを続けている。…